Vol.1 BOYS
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Vol.1 BOYS

Boots

” BOYS “ ¥110,000(Katsuya Tokunaga/THE BOOTS SHOP ☎︎03-6802-8083)

Dutch army coat ¥12,000(DAMAGE DONE 2ND ☎︎03-6434-0287),
Old PRADA double vest, Old BROOKS BROTHER botton-down shirt,
LEVI’S VINTAGE CLOTHING「33501」denim trouser(all are stylist’s own)

Direction & Styling: Junya Chino
Photography: Shinsaku Yasujima
Model: Sam

【 PROLOGUE 】

ROLLING DUB TRIOの徳永さんとご飯を食べていたら月毎にビジュアルを含めたコンテンツを作ってみようという話になった。

時間をかけてじっくり熟成させていく革靴作りと相反するように、

季節や気分によって着こなしたい服やスタイルはどんどん変わっていく。

変わるものと変わらないもの。

そんな両方の気分を合わせて発信していけたらより革靴を履くことを楽しんでもらえるんじゃないか、という想いから今回の企画が始まった。

 

【 SHOES 】

「Katsuya Tokunaga の Button Boots “BOYS”」

最近ちゃんとした革靴が気になっている。スニーカーはもちろん歩きやすくて良いのだけど、年齢も重ねてきて大人のピリッとした気構えを足元から取り入れたいなんて思っている。

病は気から。であれば装いから中身が変わることもまたあるのではないだろうか。

ボタンブーツは今まで履いたことがなかったけれど、個性的なデザインでありながらドレス靴な印象。

かしこまったパーティにだって履いていけそうだ。

しかし聞くと1920年代のニューヨークのストリートで遊ぶ少年が履いていた靴がモデルになっているそう。

昔の子供はこんな格好良い革の靴を履いて遊んでいたのか!と思うと格好良くて羨ましくなる。

アッパーがつるっとしたボックスカーフ。足首周りがシボ感のある柔らかいゴートスキンになっていて、伸びがあり履き心地は抜群。質感の違うレザーのコンビネーションが美しい。

ボタン部分は実際に開ける嬉しい本格仕様。利便性も考えてサイドジップも搭載。

ボタン開閉で履いて時代に思いを馳せるも良し、ジップでさっと履くも良しなのである。

履き込んで自分だけのヴィンテージに育てたい一足。

【 TALK 】

第1回目は徳永さんのシグネチャーラインのボタンブーツ「BOYS」についてお話を伺った。

千野: こちらはどういったラインになりますか?

徳永: 元はドレス靴を作る高級ラインとして立ち上げたんだよね。

過去にジョッパードブーツも作ったことがあって、ボタンブーツは今回で作るのが4回目になるかな。
不定期ではあるんだけど少しずつ素材を変えたりマイナーチェンジしながら作り続けてる。

千野: あまり見ないデザインですよね。何か具体的なアイデアソースがあったりするんですか?

徳永: 「BROOKLYN’S WILLIAMSBURGH」(by BRIAN MERLIS)っていう1800年代後半から1900年代中盤くらいまでのニューヨークのウィリアムズバーグの風景やそこに暮らす人々の写真をまとめてる本があって、その中でも1920年代あたりで少年がこんなボタンブーツを履いてるんだよ。

この時のデザインを超えるボタンブーツが出てこないから作り続けてる部分もある。

千野: (少年の写真を見せてもらいながら)うわ。写真だとだいぶ靴が小さく写っていますね。よくこの写真から実際の形まで持っていけるなあ。
あと少年が堂々とタバコ吸ってますね(笑)

徳永: (笑) よく見るとキャップトゥになってるのが分かるでしょ。

トゥの形もぽっこり膨らんでいて、綺麗な靴ではあるんだけど頑丈で日常的に履くことを考えて作られていることが分かる。

千野: 大人から子供までシャツを着て革靴を履くのが当たり前の時代ならではのデザインですね。ドレスの要素とワークな雰囲気が混在しているというか。

徳永さんはこの靴をどういうスタイルと合わせることが多いですか?

徳永: 俺は結婚式の時にスーツに合わせて履いたりするよ。

個人的には特別な時のドレス靴として手元に置いてるけど、持ち主によってどう履くかは自由。自分の好きなスタイルを見つけて欲しい。

千野: 特別な時にフォーマルな服と合わせるのは素敵ですね。
逆に当時の少年の様に、日常的なシチュエーションでもあえて履いてみたいとも思いました。
それで今回の撮影でも当時のクラシックな部分を残しつつ、カジュアルなスタイルで組んでみました。
ダブルのフォーマルなベストに洗い晒しのオックスフォード地のボタンダウンシャツ。デニムパンツはロールアップしてボタンブーツを引き立たせて、その上から軍物のコートをラフに羽織って。
昔の労働者がジャケットやベストを着て肉体労働している様なバランスが好きで、そんなスタイルともこの靴は合いますよね。

徳永: 意外と色々なスタイルに馴染む靴なのかも。そうやってそれぞれの解釈で自由に履いてもらえるのが一番嬉しいね。

Text & Interview by Junya Chino