Vol.8 MIZUHIKI SANDAL
スタイリスト千野潤也による連載「BOOTS and STYLES」
Vol.8 「TOKYO SANDALの”MIZUHIKI SANDAL”」
【対談①】
千野: 今回は東京サンダルの”MIZUHIKI SANDAL”についてお話を伺います。
このサンダルが生まれたキッカケから教えてください。
徳永: 新作を考えていて、メッシュサンダルはまだ作ってないなと思ったことがきっかけだね。
まずどんな編みがいいかなと色々な国のメッシュサンダルを見てみた。
インド、エジプト、メキシコのワラチとかね。
総じて編み方が直線的なものが多くて曲線で編んで作るのは面白いんじゃないかと思ったのが一つ。
千野: なるほど。
そこから水引きのデザインに繋がっていくわけですね。
【対談②】
徳永: 東京サンダルの一つの要素として日本由来のデザインソースということがあって、既にあるものでも”TABI”や”SETTA”があるんだけど。日本の編み方で模索してる時に水引き編みの鮑(アワビ)結びにたどり着いたんだよね。
千野: お祝いの意味があるし縁起も良いですよね。
徳永: その時丁度自分が結婚するタイミングでもあってこれだ!って。
ぴったりだったね(笑)
千野: おめでとうございます(笑)。
水引き編みにするにあたって工夫した点はどういうところでしょう?
徳永: まず編む本数と一本の幅を色々試して研究したよ。幅が細すぎるとレザーの迫力が出ないし、太すぎるとメッシュの利点の通気性の良さが損なわれるから。
幅によって編む本数も変わるしね。
最終的には7本で編んで幅は7.5mmで落ち着いた。これが現時点でエレガントさもあり機能的にも優れる黄金比率。
千野: 曲線の集合だからか、直線のものよりさらに伸縮してフィットする感覚もありますね。
徳永: 実際「点」でなく「面」で足に沿っていく構造なので履き心地にも自信があります。
【対談③】
千野: 前に制作途中のサンプルを見せて頂いた時に履き口の広さ、肌の見える分量も細かく調整していましたよね。
徳永: 履き口の広さもそうだし指の見える分量も最後までこだわった点だね。履き口が広いと履きやすいけど足の見える分量が多くてリゾート感が強く出過ぎる。
これは指の出方においても同じく。
逆に足首まで詰まりすぎていてもサンダルとしては窮屈に感じる。
だからリラックスしているけど品のある足の露出具合を探ったよ。
もちろん撮影してくれたみたいにサンダルにソックスを合わせてもまた違った楽しみ方ができてありだと思う。
千野: ボリューム感のあるサンダルなのでワイドパンツ等にも合わせたくなりますね。
和を取り入れてはいますが写真のようにストリートやモードなど幅広いスタイルと相性の良い万能さを感じました。
本日は有難うございました!
【CREDIT】
“MIZUHIKI SANDAL”
¥45,000(TOKYO SANDAL/THE BOOTS SHOP ☎︎03-6802-8083)
Direction, Styling & Text @junya_chino
Photography @genkinishikawa
Model @sonnet_.tw